盛岡市外山森林公園で炭焼き体験をした。本来の体験コースは炭焼の工程を3日間かけて行うが、今回はイレギュラーな申し込みだったので、1日(午後からの3時間弱)でできる範囲での体験となった。今回の内容は主に、座学、立て込み作業、炭熾しの3つだった。
先ずは管理棟内で座学。炭焼の工程、炭窯の構造などを資料や書籍を使って簡単に説明してもらった。座学の後は公園内を回り、炭の材料にする木の説明をしてもらう。岩手ではミズナラやコナラを使って炭を作ることが多いそうだ。
炭焼小屋。
小屋の内部。奥が炭窯。
上の小さい炭は岩手切炭で黒炭。下の長いのが白炭。この窯で焼いているのは白炭になる。黒炭と白炭では精錬の仕方が違うらしい。白炭は灰などをかけて冷却させるので白っぽい色になる。高級炭の備長炭とは白炭のことらしい。
窯の入口。人一人がやっと入れるくらいの大きさ。
窯の内部。暗くてよく見えない。中に入ってと言われたが、入らなかった。
窯の上部。黒い部分が空気の調整口。レンガを少しづつずらして空気の量を調整する。
炭にするナラの木。長さ1mくらい、太さ10cmくらいだろうか。生木なのでずっしりと重い。
立込み作業開始。写真のような道具を使って木を挟み、窯の内部に立てていく。講師のお手本を見て自分でもやってみたが、木は重く、窯の小さな入口から道具を使って立てていくのは重労働だ。実際には窯が一杯になるまで数百本の木を立て込む。炭焼の中で一番たいへんな作業らしい。10本くらい立てたところでギブアップ。
焼き上がった炭は鎌のような棒を使って窯から掻き出し、灰をかけて冷却する。
最後にBBQ台を使い炭の熾し方を教えてもらう。先ずは切炭を皮の部分を内側にして円筒状に並べる。
着火剤をかける。こちらではオガクズに灯油を混ぜたものを使っていた。
着火剤にライターで火を付ける。
着火剤に火が付いたら、切炭の周囲に白炭を並べて乾燥させる。白炭は十分に乾燥させないと爆発するらしい。
しばらくすると切炭に火が点く。
うちわで扇いで火を大きくする。扇ぐタイミングと強さが難しい。
30分ほど放置した後の黒炭と白炭の状態。右が黒炭、真ん中から左が白炭。黒炭(岩手切炭)は約2時間ほど燃えるとのこと。家でやった実験結果とも一致する。左の白炭にも火が付いている。良い白炭は黒炭より燃焼時間が長いそうだ。複数の白炭を燃やすときは、赤くなっている部分どおしを密着させるようにするといいらしい。
体験の終わりに窯で焼いた白炭をいただいた。重さにすれば4〜5kgはあるだろうか。値段にしたらいくらくらいになるだろうか。また来年夏に全行程体験コースの募集があるらしい。今回の受講料は2000円。数時間ではあったが炭を知るよい体験になった。