昔の火おこしに興味があって、盛岡市遺跡の学び館に行ってみた。この施設では「まいぎり式」の体験ができるが、残念ながらいまはコロナの影響で中止している。担当の学芸員さんにお願いして、道具を見せていただき、使い方の説明をしていただいた。
火きり杵(ぎね)の先端に火きり棒を差し込む。
火きり棒を火きり板に押し当て、火きり杵を上下に動かして、摩擦熱で火種を作る。
火種を麻紐をほぐした器に移し、息を吹き込んで発火させる。
この器は学び館で焼いたものらしい。なかなか味がある。
火きり棒は消耗品。使っているうちに短くなっていく。
火きり板も消耗品なので、新しい板を作るための型紙があった。
火きり板には予めガイド用の凹みと、火種を下に落とすための溝が切られている。
火おこし体験は親子での参加が多く、だいたいは親の方が熱くなってしまうらしい。気持ちはわかる。
学芸員さんの丁寧な説明で、まいぎり式のイメージはつかめたが、はずみ車の工作が面倒そうなので、まずは弓ぎり式でやってみたい。弓ぎり式がうまく行ったら、次は最も原始的な「もみぎり式」に挑戦したいが、これはかなりハードルが高そうだ。
昔、縄文文化に興味があって、遺跡や博物館に通っていたときがあった。展示物の説明文を書き写してデータベース化していたほど熱心だったのに、あるとき急に熱が冷めてしまった。あれから随分と年月が経ったが、また火おこしの件で遺跡の施設を訪れることになるとは思ってもみなかった。
帰りに近くの美術館で開催されている、江口寿史の「彼女」展を見学した。今日が最終日だった。ものすごい数の作品に圧倒された。